第九

年の瀬。

京都市交響楽団の第九を聴きにいきました。

チケットはいい感じに売れており、

当日券を買いにいくと、ステージ後ろの席しか空いておらず。。。

でも、この席で演奏を聴くのは初めてなので、

どんな感じなのだろうと、ちょっと興味もありました。



第九、というかベートーベンて、ほんとすごいなと思いました。

この曲を書いていたときは、確実に音を聴くことができなかったと聞いていますが、

あんなふうに音楽を、具体的にいうと、和声とか各楽器の音の重なりとか、

を描けるんだなと、驚愕な感じです。

でも、この嵐のような精神世界が、たった一人のベートーベンという人の中で発生して、

それをベートーベンが楽譜に残してくれたことは、

ものすごい奇跡というか、普通の人にはできないことで、

こういう素晴らしい世界を残してくれたことに、「ありがとう」の気持ちです。

わたしたちが生きるこの世界は、ただの日常ではなく、

すばらしい奇跡の世界だということを、ベートーベンが教えてくれているような気がしたり。

ベートーベンは、やはり「人類の宝」だと改めて思うのです。

ちなみに、音楽としての第九のイカしたところの一つは、

リズムじゃないかと思うのですが、4楽章のリズムが個人的に大好きです。




先日サンフランシスコ交響楽団のマラ5を聴いたとき、

「いい演奏を聴いていると、そこに風景とかメッセージが見えてくる」

ということに気づきました。

その曲を作った人や演奏している人の込めるメッセージが、ちゃんと届くのです。

自分は、いいオーケストラとか、いい音楽とかの見分け方はわからないし、

実際そういうふうに見分けることに意味があるのかもわからないですが、

すばらしい演奏には、目には見えなくてもそこに魂の篭った何かが発生して、

それを聴いて心が動かされている自分がいる、その事実だけは確かなようです。



とにかく、京響さんにいい演奏を聴かせていただきました。

あと、ステージ後ろの席は、ちょっと金管楽器の音が大きく聴こえるくらいで、

そんなに悪い席ではありませんでした。

指揮者のかっこよさが存分に見られる良いお席です。

冬、身体をあっためたくなったらキムチチゲ鍋が食べたくなりますが、

心をあっためたくなったら、また第九を聴きに行ってもいいかなと思いました。