佐藤くんと空の雲

小学校3年生のとき、佐藤くんを正式に認識して以来、

小学生時代の私のアイドルは佐藤くんでした。

まず顔が好み。

仏像彫刻みたいにすっとした一重まぶた。

なのにちょっと色気があって、

走るのが早くて、すぐに好きな女の子を公言して(この男気がよい)、

いつも男子の中心で目立っていた佐藤くん。

結局、一度もしゃべれなかったけど、

憧れすぎてしゃべりたいと思ったことさえなかった。(このパターンは以後も続く)

エネルギーが有り余ってつねに走りまわっていた佐藤くんは、

中学では案の定ヤンキーの道へ。(風の噂)

さらに手の届かないところに行ってしまったことに、

ちょっとホッとする淡い女子のココロがわかりますか?

佐藤くんは、今でもたまに夢に出てきては、

私を幸せな気持ちにしてくれます。(夢の中ではしゃべれる)

そんな佐藤くんが卒業文集に書いていた、

"生まれ変わったら何になりたい?"への答えは、

"空の雲になりたい"。

意外に詩人。

その答えを見て以来、空の雲をよく見るようになりましたとさ。