本当のシンプル

シンプルというのは、とてもステキなことだと思います。
よく人は、「無駄なものを削ぎ落として、、、」と言います。
私も、いろいろ抱えるものが多くなってくると、荷物を下ろしたいと、
下ろせるものがないかを探してみます。


でもそんな時いつも思い出すのが、数年前買った本に書いてあった言葉です。
「本当のシンプルは足し算。」


簡単に言うと、


表現したい要素、例えば、その商品の価値やイメージや歴史、、、
そういうのが20こくらいある時、
これはいらない、あれもいらない、と削ぎ落としていってしまうと、
結局残ったものは、ありふれた「顔」にしかならない。


表現したい20この要素は、どれか一つがその商品のアイデンティティなのではなく、
全ての要素が合わさって一つのアイデンティティを形成している。
人にしても、あんな面もこんな面もそんな面もあるのが私な訳で、
その組み合わせによって、人とは違う私という人が成り立ってる。


だから、引き算ではなく足し算をする。


でも、そのまま足し算するだけでは、それはただの羅列にすぎない。
足すべきものを全て足して、一つの答えを出す。
それが僕の言う本当のシンプル。


ちょっとこむずかしいですが。
あ、僕とは、日清カップヌードル「hungry?」のコマーシャルを作った
大貫卓也さんです。


実は広告を作っている人たちにとても憧れていたりします。
数年前買った「ひとつ上のアイデア。」(眞木準編/インプレス)の中で、
たくさんのクリエイターが”アイデア”について話をしてくれていますが、
その中で一番印象に残っているのが、大貫さんの「シンプル」についての話です。


私が今抱えているもの、抱えようとしているもの、
そんなに多くはないけど、全部持つのはしんどいかな、とも思います。
でも、自分で選んでそれを抱えるなら、それはいつか自分のアイデンティティに関わる、
つまり自分の血となり肉となっていくのかもしれない。


いつもこんなことを考えている訳ではないですが、
何となく思いついたので、書き留めてみました。