過去からの、贈り物

私にサミュエル・ウルマン『青春の詩』を教えてくれたのは、

建築家の安藤忠雄さんでした。

安藤さんが30代の頃、学歴もない建築家の彼に、

大阪の経済人(サントリーの佐治さんとか)たちが、

ウルマンのように自由に生きろ、と言って仕事を任せてくれたそうです。

さすが、大阪人は懐深いっ!



今から6、7年前、まだ百貨店に勤めていた頃、

自分のやりたいことがやれず、というかそもそも仕事のことなんて

何にもわかっていなかった自分は、それでも必死にもがいていて、

何かヒントがほしいと思って、新聞の切り抜きをやってました。



安藤さんの「判断を人に依存するな」という見出しが付けられた、

朝日新聞求人欄のコラムは、何度も何度も読んで、その都度アンダーラインを引いたりして、

「私、必死やったんやな〜」って、その頃の自分が愛おしくなります(笑)



その他にも、村上龍さんとか、稲盛和夫さんとか、ピーコさんとか。

エライ人って、私にとっては、この人たちだなって思います。



たくさん切り抜いた記事の中でも、特に素晴らしかったのが、

2004年10月、イチロー選手が84年ぶりに大リーグ年間最多安打記録を更新した時の記事です。

スタジオを埋め尽くした4万5千人のファンの前で記録を達成した後、

イチロー選手は記者会見で、心に響くようなことをたくさん言ってはります。

(むしろ心に響くことしか言ってません。)

一番感動したのは、「新記録への原動力は?」と聞かれて、

「野球が好きだ、ということ。」って答えてはるとこです。かっこよすぎ。



素晴らしい笑顔のイチロー選手の記事に、もう6年もたっているのに、

「すげ〜な、この人。」って、感動をもらいました。



そして、切り抜きスクラップのページをめくっていると、

こんなページを見つけました。


オーボエのコンクールに出るための準備をしていた時に書いたメモです。

めちゃくちゃ不安で、思わず書いたメモ。

でも、めっちゃいい事が書いてありました。

「自分を信じられるようになるまでやらないと、人に聴かせられない。」

=「自分を信じられるようになれば、人に聴いてもらいたいと思える。」

この後、「じゃあ、どうすればいいか」→「本気で練習する!!」と続いていきます。

当たり前のことなんですが、でもすごいと思いました。(我ながら)

6年前の自分に教えられました。

本気で何かに取り組むって、やっぱり大事です。

人生をおもしろく生きるためにも。



そんなわけで、次回のチャイコフスキー、またいいソロを頂いたので、

昔の自分に負けないよう、いい練習をして、いい本番にしたいと思います。