アムスからベルリンを経由してドレスデンへ。
ドイツの深い森を抜け、列車は雪景色をどんどん進み、
ベルリンから約2時間でドレスデンに到着しました。
ドレスデンに到着したのは夕方で、駅を出るとめちゃくちゃおいしそうなソーセージの出店がありました。
たくさん種類のあるソーセージからいっこを指差して、
「ワン、プリーズ(ひとつ、お願いします)」と店のおばちゃんに言うと、
「ワン(ひとつ)」が通じない!
しかも、人に対してオープンじゃない、あの感じ。
ベルリンとかパリとかニューヨークとかそういう国際的な都市じゃない、
ドイツの地方都市の雰囲気を肌で実感できました。
そして、そのとき、ドイツ語で数字も言えない自分やばいと気付き、
「英語しゃべれたらええってもんちゃうねん!」とおばちゃんに言われたような気がしました。
なんとか買えたソーセージをボイルして食べたら、思った通りすごくおいしかったです。
ここドレスデンには、州立の歌劇場専属管弦楽団シュターツカペレ・ドレスデンを聴きにきました。
27 Jan 2013
指揮:C・ティーレマン
Pf:M・ポリーニ
曲目:ブラームスPfコンチェルト&sym.2 他
とにかくホールが豪華。
というかかなり昔の雰囲気を漂わせた伝統的なホール(歌劇場)、ゼンパーオーパー。
気分は18世紀や19世紀にタイムスリップしたようで、
最高にテンションが上がる。
この日は、これからのクラシック業界をひっぱっていく、力持ち指揮者のティーレマンさんと、
おじいちゃんピアニスト(つまり巨匠)ポリーニさんの共演ということで、チケットは完売。
ちなみに、ポリーニさんは現役ピアニストの中では、最も評価の高い人の一人なのだそうです。
(by ウィキペディア)
さて、会場は立ち見のお客さんもたくさんいて、その多くはアジア人。
アムスのときから思ってたけど、客席には日本人の姿もちらほら見え、
ほんま日本人って、好奇心旺盛というかミーハーというか、すごいなと思いました。
もちろん、自分もその一人です(笑)
でも、明らかに観光の冷やかしではない様子をお見受けしましたので、
これは文化度の高さと捉えていいのでしょう、きっと。
そして、演奏はブラームス。
難しい現代文を読むのに似ている気がします。
向こうからはなかなかウェルカムしてくれないのですが、
じっくりと向き合い、作者の意図に触れたとき、静かな熱い感動に包まれるみたいな。
自分の勝手なイメージですが。
でも、自分もオケをやっていて、ブラームスの交響曲を演奏すると、
その素晴らしさは、わりとすぐに理解できます。
思うのですが、音楽の素晴らしさを理解する一番早い方法は、自分で演奏することじゃないかと。
でも、オーケストラの場合、演奏技術を習得するのにどうしても時間がかかってしまうし、
そうなるとブラームスのすごさを理解するのも時間がかかる。
(わたしの場合、オーボエでいっちょ前に曲を吹けるまでに時間がかかりました。)
このあたりが、クラシックが敷居が高いと言われる理由なのでしょうか。
もちろん、クラシックの楽しみ方はたくさんあるのですが。
で、この日の演奏。
ポリーニさんは、たまに音の粒が聞こえないときがあったけど、
伝統あるホールにふさわしい演奏でした。
ティーレマンは、オーケストラの音の広がりや収縮をよく表していました。
柔道選手のような屈強な身体から、ものすごいエネルギーでブラームスに熱をもたせていました。
オーケストラも、すごく熱い演奏をしていました。
一般的に、クラシック楽器を演奏すること自体、「優雅さ」のイメージってあると思いますが、
このオーケストラのブラームスを聴いて、それは違うのだということがわかりました。
どちらかというと、ロックの人たちの演奏スタイルに近くて、身体もめっちゃ動くし、
パッションがものすごく伝わってくるのです。
でも、オーケストラは大人数で演奏するため、頭は冷静でなければいけないのですが。
そして、いつか聞いたオーケストラ団員の中でよく使われる格言(?)、
「頭は冷静に、心は熱く」を思い出しました。
この日の熱い演奏に、となりに座っていたドイツ人マダムも、
席から身を乗り出して、「ブラボー」を叫んでいました。
ドイツ人て、クールに見えて中身はすごく熱い人たちですね。
旅行前に「世界のオーケストラ」で検索したら、ある人がトップ20の上位にこのオケを入れていた、
という理由だけで来てしまったドレスデン。
でも、来れてほんとによかった、ドレスデン。
森を抜けて、雪景色の中、ドレスデンへ。
旧市街の広場でピアノ演奏中。こんなところでピアノが聴けるとは。
同じ広場にある小さな教会。ドレスデンのシンボルのひとつです。
第二次大戦時の空襲で全壊したため、戦後建て直されました。
中はこんな感じ。
そういえば、ここでパイプオルガンのコンサートを聴きました。
パイプオルガンすっごい音量!
建物自体が楽器なんですね。
ソーセージとかハムとか、とにかく美味しかった。
わりとフンパツした朝食。
やってきました、ゼンパーオーパー!
ザクセン州立歌劇場です。
中はこんな感じ。
コーフン!
5階のお席は27ユーロ(当時のレートで3,000円ほど)。
ビバ!
エルベ川のテラスからの景色。
ゲーテのお気に入りスポットだったらしいです。
言葉は全く通じず。