今になって思うのは、
なぜあんなに多くの都市をまわって音楽を聴いたのに、
「音楽の都」ウィーンに行かなかったのか・・・ということです。
そのタイミングでいい演奏会をやっていなかった、ということもありますが、
地方都市をできるだけ訪れたい、という気持ちもありました。
首都ではない都市というか。
それはきっと、東京以外の都市がどのように文化を華ひらかせるか、
というテーマが、常に頭の片隅にあるからかもしれません。
ということで、ドレスデンからベルリンに戻ったあと、
30 Jan 2013
指揮:M.ミンコフスキ
オーケストラ:ルーブル宮音楽隊
演目:モーツァルト歌劇「ルーチョ・シッラ」
主人公ルーチョ・シッラは、メキシコ出身テノールのヴィリャゾンさん。
とても色気のあるテノール歌手です。有名人です。
チェチーリオ役とジューリア役のソプラノ歌手さんが、素晴らしかったです。
恥ずかしながら、歌のことを何も知らない自分。
感想は以上です。
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1月24日から31日までは、「モーツァルト・ウィーク」で、
このザルツブルクで生まれた、モーツァルトの1月27日の誕生日を祝うため、
様々なアーティストが入れ替わり立ち代わり、コンサートを行いました。
この日は私にとっても、この旅のフィーバーポイントのひとつ。
なんたって、あのウィーンフィルを聴けるのですから。
クラシックは敷居が高いと言われようが、その敷居をけして下げないウィーンフィル。
敷居、高くてもええやん、と思わせてくれる貴重な団体かもしれません。
そして、彼らの音。
今まで聴いたどんなオーケストラの音とも違いました。
音、というより、ダイヤモンド!?、、、みたいな。
いっこいっこの音が、その辺にころがってる石ころだとすると、
ウィーンフィルの石ころは、全部ダイヤモンドです。
だから、弦楽器群の音なんかは、言わばダイヤの彫刻ですね。
なんのこっちゃ、と思われるかもしれませんが、
それくらい美しい音でした。
世界中で「美しい」と言えるものを上から順番に数えたとき、
確実に上位にランクインする「美しさ」じゃないかと思ったのです。
この「美しさ」の正体は何かを考えたとき、
お城の彫刻をしたり、めちゃくちゃ繊細なオルゴール時計を作っている、
職人さんの技を思い浮かべました。
ウィーンフィルのおじちゃんたちは、宮廷に出入りすることを認められた、
選ばれた職人さんたちだったのですね。
て、こんな結論でいいはずはなく、
なぜ彼らがこんなに美しい音を出せるのか。
詳しくは、たくさんあるウィーンフィル関連本に書かれていると思います。
この日のピアニストも素晴らしかったです。
彼がピアノから紡ぎだす音も、ほんとうにキラキラした宝石のようで、
聴いていてとてもドキドキして、惹き付けられました。
ウィーンフィル相手にすごい。
いや、ウィーンフィルとだからなのか。
モーツァルトという作曲家は、ものすごくポピュラーな作曲家ですが、
彼の楽譜は、とてもとてもシンプルです。
楽譜がシンプルということは、一見すると簡単に演奏できそうですし、
実際に演奏するだけならできてしまうのですが、
でも、音符の並びがシンプルだからこそ、
少しの音程の狂いや、音と音のズレや、テンポの乱れがはっきりとわかってしまい、
下手すると、ものすごくダサイ演奏になってしまう、
という音楽をやる人の間の共通認識があります。
だいぶ前に、モーツァルトを演奏したときの感動をここに書きました。
本当に不思議なのですが、こんなにシンプルな楽譜なのに、
彼の音楽は、人間を超えた宇宙、みたいなものを感じさせてくれます。
今回、ウィーンフィルの演奏でモーツァルトを聴けて、ものすごく良かったです。
ホテルの前にあったいい感じのお店で、オーストリアのラビオリ。
ザルツブルクはイタリアに近いので、パスタの文化もあるそうです。
社交の場、のようなMozart Huis。
ここに辿り着くのに時間がかかり、雨に濡れて風邪をひきました。
街中のでっかい寺院がホテルでした。
ザルツブルクのザルツ(Salz)は、塩(salt)のことらしいです。
ホーエンザルツブルク城から見る、ザルツブルク。
ものすごくでっかい城壁で、昔はここに人がろう城し、
1ヶ月以上、塩だけをなめて生活したこともある、と書いてあった。
大砲もでっかいぞ〜。
記念撮影。
電車に乗って、次はミュンヘンだ〜。