NHKスペシャル「カラーでよみがえる東京〜不死鳥都市の100年」、
という番組を観ました。
フランスの映像技術者たちが、
「映像」というものが生まれて間もない時代の白黒映像に、
「色」を付けるというプロジェクトを続けていて、
NHKも”TOKYO PHOENIX”と名付けられたプロジェクトを、
2年前からこの技術者たちと始めたんだそうです。
明治時代におそばを食べているおじさんとか、
関東大震災で燃え上がる東京の町とか、
全てが燃えてなくなってしまっても、”不思議な微笑み”を浮かべながらそこに生きる人たち。
とかとか、とかとか。
映像に「色」がつくと、いっきにリアリティが増してきます。
この番組の中で、はっとさせられたのが映画監督の伊丹万作さんの言葉です。
「多くの人が、今度の戦争(第二次大戦)でだまされていたという。
いくらだますものがいても、
だれ一人だまされるものがなかったとしたら、
今度のような戦争は成り立たなかったにちがいないのである。
”だまされていた”といって平気でいられる国民なら、
おそらく今後も何度でもだまされるだろう。
いや、現在でもすでにべつのうそによってだまされ始めているにちがいないのである。」
3日付の毎日新聞で、作家の村上春樹さんも同じようなことをおっしゃっていましたが、
何かを作って世に問う人たちの視点ってすさまじいな、と。